GXBlog編集部のフクノブです。
今回はオーダー工場【ジェンツ】の、芯仕様のご紹介をします。拘りあるテーラー様に於かれましては芯仕様に関しては、工場を選ぶ判断基準にもなり、各テーラー様毎の趣味趣向からくる理想のスーツ像に仕立てる為にも重要な要素となり、工場との相性が出やすいポイントになるのではないでしょうか。
弊社が窓口を行っているオーダー工場ジェンツは、日本でも有数なオーダー工場で、その品質はテーラー様からの信頼も厚いです。工場としてはしっかりとした製品をお届けしたい為、基本仕様としては、フル毛芯+接着芯としております。
接着芯の役割は、生地が動かない様に固定する目的として使用され、それにより安定した製品を作る事が出来ます。生地は湿気によって多少の伸縮が発生しますので、湿気の多い日本では接着がマストというテーラー様もいらっしゃいます。また生地も年々繊細になり、昔の様に硬い生地ではなく、とても柔らかくなっており縫製するのが難しくなってきている背景もありますので、接着芯貼った縫製が安定した製品を生み出す事に繋がります。
①-1UG仕様
フル毛芯+前身頃&前見返しに接着芯
ジェンツでの基本仕様になります。ラペル~裾まである総毛芯で安定した縫製を行える為完成度の高い商品に仕上がります。
①-2 UG仕様接着無し
フル毛芯で接着芯無しとなります。
柔らかさを重視したい場合は、こちらの仕様となります。デメリットとしては毛芯とのつながりが、接着有り比べ低いため、シワが寄りやすかったり、湿気を含んで来るとヨレが発生する事がありますので、お客様には必ずご了承頂いての進行となります。
①-3 UG接着+胸増し
フル毛芯+胸にフェルト+前身頃&前見返しに接着芯
通常仕様より、更に胸元をしっかりさせたい場合の仕様です。昔の方は、胸内ポケットに財布等を入れる事が多かった為胸元を補強します。
①-4 UG接着(胸増芯)※毛芯無し
毛芯無し+前身頃&前見返しに接着芯+胸増しのフェルトを付けます。
毛芯無しでカジュアルに仕立てたいが、胸にはドレープを出したい場合の仕様です。
②FS仕様
ラペル無しハーフ毛芯+前身頃&前見返しに接着芯
コットンやリネンその他特殊素材に対しては、縫製上ラペル部分のハ刺しが難しい事、工程上のしつけ止めの貼り跡が目立ってしまうという理由の為、自動的に工場側でFS仕様に変更になります。
軽く仕上げたい時にこちらの仕様を選択されるお客様もいらっしゃいます。ラペル部分が無く、前身頃の裾まで入らない為(一番したの釦辺りまで)重量が軽くなります。但し、ラペル部分に毛芯が入らない為衿のロール感が失われます。
③NC仕様
胸バス芯+前身頃&前見返しに接着芯
盛夏物等、極力軽く仕上げたい際やカジュアルに仕上げたい際の仕様です。コットンやリネンジャケットの際によく使用します。
毛芯は入りませんが、肩~胸あたりに画像の芯が入りますので、肩周りの最低限の形状を保持します。
如何でしたでしょうか。簡単ではございますが芯仕様のご紹介でした。ご参考にして頂ければ幸いです。
素材によって適切な仕様を選べ、お客様の希望の着心地によって仕様の選択が出来ます。また表地の色に合わせて、生成・黒・白と工場で最適な色合わせも行っております。
イタリアテイストの丸いジャケットを好むテーラー様には接着芯は貼らないでという依頼が多いです。そういったご要望にも内容ご理解頂いた上で、ご対応させて頂きます。
弊社では窓口としてオーダースーツ全般のご相談をお受けしてますので、お問い合わせ頂きます様お願いします。
関連記事も下記にございますので是非ご覧下さい。
ジャケットに使われる毛芯とは?~Vol.2~ 毛芯のつくり編
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縫製部の福田です。
銀座のテーラーにて職人見習いを経てヤマモトに。