GXBlog編集部のフクノブです。毎月新しいNewsをお届けする【GXニュースレター】。2025年6月号です。
オーダーアイテムの受注窓口を行っている現場から、オーダースーツ市場の最新状況をお伝えしていきます。
【2025年5月の状況】
オーダー受注状況
5月と4月のオーダー受注数は、同等程度の数量を頂ける例年の流れでございますが、今年の5月は数量が落ち込みました。昨年対比としても大きくダウンした月でした。
今年のGWは分散休暇となり、レジャー一辺倒ではなく、ショッピングも盛り上がるかと期待しておりましたが、GW開けの時点でも、昨年の受注数に届かない状況でした。
通常のオーダーは減少気味ですが、スポットとして芸能関連の衣装のオーダーが多く、少し助けられた部分がありました。有名な方のオーダーは、受注する我々もテンションが上がりますし、工場側も普段より少し協力的な部分を感じます(笑)。
撮影で期日厳守で遅れられない怖さがありますが、ちょっとしたスパイスとして業務の励みになる瞬間でもあります。
これからの季節にハーフパンツオーダー
これからの季節、また昨今の暑さにはハーフパンツを履きたくなりますよね。季節柄ハーフパンツオーダーが増えてきました。リネンや、シアサッカー地でのオーダーが目立ちます。
画像の商品は、帯幅を少し太くして、ループ無しの脇尾錠のスタイルです。
グルカパンツのイメージですね。
脇尾錠も通常は、帯とパンツの間に付きますが、帯のみにつく様に指示しております。

工場のオーダーですとCADでパターンを動かす為、膝位置の設定があり、股下の短いハーフパンツは、通常の動きが出来ない為、パターン出力後に紙の状態でパターン修正を行う為、割増対象となります。それなりの時間がかかる為、少々お高めの価格設定となっており、ハーフパンツという要尺も少なくカジュアルでお手軽な印象でありますが、それとは反しコスト高になるのが問題となります。
縫製工場によっては、断られる工場もあり、もっと気軽にオーダーを楽しめたらと良いなと感じてますので、今後工場と連携し改善していければと思います。
納期遵守率
2025/3 | 2025/4 | 2025/5 |
99.28% | 98.88% | 98.64% |
5月の納期遵守率は、98.64%でした。
オーダーシャツの遅れが珍しく目立ちました。今まではスーツに比べて事故が少なく、裁断ミスや、キズつけてしまった等といった事例はほとんどなかったのですが、ここ数ヶ月で、事故が目立ってくる様になりました。
オーダー集中により、単純に遅れるということはございませんが、最近の事故の発生率が気になりますので、今後も事故の事例をまとめ、工場とともにカイゼンしてまいりたいと思います。
【TexTech工場見学~現場研修】

弊社にも新入社員が入社したこと、グループ会社のオークラ商事の若手社員にも、縫製工場を見たことがない社員がいる為、福島県にありますTexTech様の福島工場を見学させていただきました。

現場責任者の紺野様に、熱心に説明頂きながらじっくりと工程を見させていただきました。


以前より人員も減っておりましたが一人一人が、今までの担当箇所の前後を出来る様にすることで、生産性が向上に取り組んでおります。


新しいボタンホールミシンや、レクトラの裁断機等、新しい機器も導入し、品質向上にも取り組んでおりました。


既製品ラインの数あるサンプルをを見ながら説明をして頂きました。有名ブランド様の凝ったデザインのものがたくさんあり、アイテムや仕様により、オーダーラインを活かしながら高品質な商品を送り出しております。
今までのオーダースーツのみだったTexTechから、既製品も縫製出来る工場に生まれ変わり、オーダー工場の新たなスタイルを模索してる状況です。
TexTechの品質を活かした小ロットな生産が可能ですので、是非ご相談頂ければと思います。
【ロエベ クラフテッド・ワールド展 ― クラフトが紡ぐ世界】


2025年3月29日から原宿で開催された「ロエベ クラフテッド・ワールド展」へ開催終了間近のギリギリに行くことが出来ました。ロエベ初の大規模な展覧会。179年にわたる歴史と、ブランドの核にある“クラフトマンシップ”を五感で体験できる贅沢な展示内容でした。





中でも特に印象に残ったのは、レザーバッグの製造工程で、CAM(コンピューター支援製造)による裁断から縫製、仕上げまでの流れを映像と実物で追体験できたこと。精密にカットされたレザーが職人の手によって少しずつ形になっていく様子は、まさにクラフトの美しさそのもので、機械と人の技術の融合に感動しました。



製品の耐久性検査の展示もあり、バッグが日常使いに耐えられるよう、実際の使用環境を想定して行われている各種の試験はとても印象的でした。摩擦検査では、レザーがこすれた際の色落ちや表面の変化をチェックし、屈曲検査では、革を繰り返し折り曲げて耐久性を確認するなど、見た目の美しさだけでなく、実用性と長く愛されるための工夫が徹底されていることに感心しました。



また、今回の展覧会を通して、ロエベというブランドに対する印象が大きく変わったことも驚きのひとつでした。これまで“上質なレザーの老舗ブランド”というイメージが強かったのですが、実際には遊び心にあふれ、前衛的で実験的な表現にも積極的なブランドであることを知り、良い意味で意外でした。
例えば、ジブリとのコラボレーションや、ユーモラスなフォルムのバッグ、独創的な素材使いなど、クラフトに根ざしながらも現代アートのような自由な発想が随所に見られ、「機能美」と「アート性」が共存しているのがロエベの大きな魅力なのだと実感しました。
無料とは思えない規模や、内容の充実度・完成度には本当に驚かされました。世界のラグジュアリーブランドが持つ圧倒的なマーケティング力と資金力を肌で感じることができ、これを体験できたことは非常に貴重だったと感じます。心から「見てよかった」と思える、充実した展覧会でした。
以上如何でしたでしょうか。
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縫製部の福田です。
銀座のテーラーにて職人見習いを経てヤマモトに。