2022年9月号_GXニュースレター 〜AWオーダーは静かな滑り出し~

GXBlog編集部のフクノブです。毎月新しいNewsをお届けする【GXニュースレター】。2022年9月号です。
オーダーアイテムの受注窓口を行っている現場から、オーダースーツ市場の最新状況をお伝えしていきます。
本格的な秋冬立ち上がりを前に、弊社顧客様に於かれましても、束の間ほっとする時間だったのではないでしょうか。少し落ち着いていた8月でしたが、ハイシーズン前の嵐の前の静かさということでいったところでしょうか。

【2022年8月のオーダー状況】

オーダー受注状況

この春~夏は、コロナ一段落のリベンジ消費に後押しされて、例年より多くのオーダーを頂いた結果となり、忙しくさせて頂いた日々でした。8月に関してはホッ、と一息といった感じで落ち着いていました。月末からは通常少しずつ盛り上がって来るのですが、今年は出だしが少し遅いかなという印象です。
といいますのは、昨今のコロナ&ウクライナ情勢の影響を受け、羅紗屋様各社の、AW生地バンチデリバリーが遅れてる影響が大きく響いてる様です。ですので、着分生地等をストックされてるテーラー様からのオーダーが集中しているこの頃です。

受注内訳に関しては、ほぼ秋冬生地にシフトしており、フランネルやツイード、コーデュロイ等の冬本番の素材も多く受注しております。

また、この時期は、店頭品として、サンプルや少量の既製品としてのオーダーも目立ちます。特に既製品に関しては、オーダー工場ならではの小ロット生産が可能なので、多くご利用頂いております。


オーダーサスペンダー好調

サスペンダーも1本よりオーダー頂けます。仕様としては、表生地を使用し作成します。
スーツと同生地で作れる為、コーディネートもバッチリですので、お客様にもオススメしやすい商品かと思います。生地要尺も横地で宜しければ20cm(縦地の場合は100c程度)で作れますので、コスト的にも抑えれる為、ご好評頂いております。
弊社が代理店として販売している英国の「アルバートサーストン」もブランドとしての魅力がありますが、オーダー店ならではの商品として、【オーダーサスペンダー】はお勧めです。


出来上がり画像、スーツ地の共地で作成しております。シャツ地や裏地でも可能ですので、アクセサリー感覚ですので、バリエーションの訴求も出来、お勧めしやすいアイテムではないでしょうか。
※注意点として、厚い生地はアジャスターに通らない・もしくは長さ調整のスライドしづらくなりますので素材選びにご注意願います。


背当てのレザーバリエーション

金具カラーと、エンドデザインバリエーション。

ゴム部分カラーバリエーション。

オリジナルのダークグリーンのボックスに入れて納品させて頂きます。
詳細は下記の参考ページご確認ください。
これならサスペンダーOEM 世界で1本完全オリジナルなサスペンダー。


キュプラ裏地(AK1800)品薄状態です

ファッション業界全般に影響を与えているキュプラ不足。
今年春に発生した旭化成様の火災の影響で、キュプラの供給がほぼ行われていない状況です。
縫製工場ジェンツでの在庫にも影響が出てきており、品切れが発生しております。
現時点(2022年9月上旬)では4~5色ですが、入荷目処が立たないため、これからどんどん増えて参ります。

また、ジャージーオーダーのハーフライニング仕様・レザージャケットオーダーでも、標準仕様としてAK1800を使用しております。こちらは弊社グループのオークラ商事在庫を使用しておりますが、現時点(2022年9月上旬)で10色以上の品切れが出ております。

ご不便おかけしますが、ご注文の際にはご注意頂く様お願い致します。
新たな品切れ発生時はメールにてご連絡させて頂きます。




【2022AW生地の傾向】

羅紗屋さんのT社さんにお話伺いましたが、今シーズンの生地のトレンドですが、これといった推しは無いとの事。
強いて言えば【無地】。織りや今までにない色味を少し加えてるものの、大きなトレンドは無い様です。
要因として世界的にコロナの影響で、スーツやジャケットの着用機会が減り、やっと社会が動き出した事で、久々に持っているスーツを着用したらサイズが合わないというきっかけの【買い直し】が増えると見て、基本の無地のバリエーションを増やしてる様です。
現時点での流れを見ても、CANONICOの定番バンチの生地が一番売れている様です。

最近の市場からみても、長らく続いたイタリアンテイストも影を潜めてきた感があり、トラディショナルなイギリス調テイストの気分が高まっている事もあり、素材としては、太番使いの素材も注目ではないでしょうか。トラディショナル・ワーク・クラシック、このあたりをキーワードに今季の生地は注目を集めそうです。



【ワールドスタンダードは並毛】

コーデュロイ等の毛並

画像はコーデュロイの逆毛と並毛の画像です。これからの時期の定番素材コーデュロイが多くオーダー頂きますが、逆毛・並毛(順毛・撫毛)聞かれる事多いです。
弊社でもご注文頂いた際、オーダーシートにご指示無ければ、都度確認させて頂いております。
逆毛の方が、色が濃く見え綺麗に見えます。
並毛は白っぽく見え、ムラの様にも見えますね。

先日、海外テーラー様分で同素材のオーダーが入った際に確認しました所、並毛とのご返答。
伺ってみると、ワールドスタンダードは【並毛】の様です。
日本では、一般的に【逆毛】で浸透しています。
今まで疑いもしなかったですが、常識が覆された一瞬でした。

セレクトショップでヨーロッパのドレスブランドの既製品を見ても確かに並毛でした。


並毛裁断での仕立て画像です。
逆毛裁断は色が濃く見えドレッシーに見え、逆に並毛はカジュアルな雰囲気になります。コーデュロイに関してはそもそもカジュアル素材ですので、並毛もこなれた雰囲気が出て良いですね。

どちらも正解だと思いますので、お好みでお選び頂ければ良いかと思います。オーダーシートにてご指示頂きます様お願い致します。


【先月の活動】

お客様別注 ジェンツオーダー裏地・ボタンサンプル帳作成

上記はオーダースーツサービスで使用の無料で差し上げてる、工場在庫の裏地&ボタンサンプル帳です。


お客様よりご要望頂き、あれだ雰囲気出ないよねって事で、サンプル帳をカッコよくして欲しいとの依頼を受け、作成した上記画像のものです。綺麗にまとまったんではないでしょうか!?

フォントのご要望も伺えますし、お店のロゴもデータを頂ければお入れ出来ます。
有償サービスにはなりますが、見栄えもグンと良くなり、お客様への印象もガラリと変わるはずです。

ご興味ございましたらお問い合わせお待ちしております。



【ガブリエル・シャネル展】


引用元:美術展ナビ

日本で32年ぶりとなるガブリエル・シャネルの回顧展が、東京・丸の内の三菱一号館美術館で開催されており、大変盛況との噂でしたので行って来ました。
1920年代から70年代初頭にかけて、シャネルがファッションの世界にもたらした功績をたどる回顧展です。
私は勉強不足でシャネルと言えばシャネルスーツのイメージしか無く出かけて行きましたが、ドレスやブラウス、アクセサリー等、その全てが洗練を極めた繊細なものづくりに圧倒されます。
展覧会を進むにつれ、シャネルの思想を実感でき、ファッション界に残した功績に納得出来る素晴らしい展覧会でした。
展示を辿っていく間、エレガンスのシャワーを浴びている感覚です。


引用元:美術展ナビ


引用元:美術展ナビ



物販コーナーも盛況で、本展示会らしく、裁縫道具類もたくさん販売されておりました。弊社でも馴染みある道具類がたくさんありましたが、見せ方次第でとってもお洒落に見えますね。

9/25まで開催されてますので、業界の方は是非行ってみて頂きたいです。
1点オススメしたい事、展示会場でスマートフォンに無料でアプリをダウンロードして「音声ガイド」を聞く事が出来ますので、イヤホンやヘッドホン等をお持ちになると良いかと思います!



以上如何でしたでしょうか。
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