2023年9月号_GXニュースレター ~8月の受注状況、オーダーシャツ要尺表公開~



GXBlog編集部のフクノブです。毎月新しいNewsをお届けする【GXニュースレター】。2023年9月号です。
オーダーアイテムの受注窓口を行っている現場から、オーダースーツ市場の最新状況をお伝えしていきます。


【2023年8月のオーダー状況】

オーダー受注状況

記録的な猛暑が続く8月でしたが、皆様お元気でお過ごしになられましたでしょうか?今年の夏は、間違いなく人生で一番暑い夏だったのではないでしょうか。これはこれで貴重な体験かと思いますが、毎年この暑さが来るとなるとげんなりしちゃいますね。

さて、オーダー受注状況ですが、各テーラー様も口々に仰る様に、この暑さではスーツは売れない!のお言葉通り、受注数的には少し落ち込みました。数的には例年と横ばいですが、パンツが少し多かったかもしれません。
例年ではありますが、冬物のオーダーも、7月末には入り始めるので、8月末ともなると、ちらほらツイードや、モールスキン等の重たい仕上がり品も目にする様になりました。

その反面、暑さが影響してるのかはわかりませんが、オーダーシャツはかなりの好調で、例年の150%程度のオーダーを頂きました。

秋冬シーズンがスタートしてますが、各ブランド生地代も上がっており、状況が読みづらいですが、オーダー業界が活性化する事を期待するばかりです。


御幸オーダーに使用するボタン&裏地バンチ

ボタン&裏地の2冊セットでの販売となります。

無料で使用出来るボタン&裏地のサンプル帳は、御幸オーダー使用されるお客様には、差し上げておりますが、有料オプションのものは、このバンチに収録されております。
重厚感のあるバンチで、お客様へのご案内の際にそのままご使用頂けますので、顧客満足向上にも一役担えるバンチとなりますので、是非ご検討ください。
実際の中身の様子は動画で、インスタにあげておりますので是非ご覧ください。
ボタンサンプル帳:https://www.instagram.com/p/CwjiMyiqzDv/?hl=ja
裏地サンプル帳:https://www.instagram.com/p/CwjkvG8q5gy/?hl=ja


テーラー様オーダー仕上がり品のご紹介

上記画像は、弊社のお得意先様よりご提供頂きました。
ご自身でもダンスをされており、チームで全国大会に出場されたとの事で、その際のショットです。
もちろんメンバー様が着用されてるスーツは今回の為にオーダー頂いたスーツです。
オーダー前に、ダンスがしやすいゆとりあるもの、またオールドスクールをテーマにということで、サイズ感等を、弊社担当者にご相談を頂いておりました。
チームとしての一体感や、それぞれの個性も際立っており、皆様バッチリ格好良く決まっています!我々縫製部でもこの画像を頂き大変嬉しい気持ちになりました。
この度はご提供頂き誠に有難うございます!

【オーダーシャツ要尺表】

オーダーシャツの要尺を作成しました。
シャツ生地屋さんですと、既にカットされ着分(S幅2.2m、W幅1.8m)で用意されているので、今までは問い合わせがなかったのですが、ここ最近は生地の値上がりも著しく、少しでもコスト削減やSDGsの意識より、m数を削減したいとの問い合わせも増えてまいりました。

サイズの小さなお客様の場合は、着分購入よりもm数削減出来ますので是非ご活用ください。



【日本モデリスト協会 講演会】

2023年8月19日、日本モデリスト協会主催の「日本はものづくり後進国だった!」というテーマで、有限会社 ファッションしらいしの代表取締役である白石 正裕さんの講演会が開催され、工場様やパタンナー様の方々、70名以上が参加されておりました。

家業が縫製工場の白石さんですが、高校生の時から現場で働かれており、縫製工場一筋で来られた方から見たファッション業界について語っておられました。簡単ではありますが内容報告です。

衝撃的なタイトルの「日本はものづくり後進国だった!」は、ものづくりに対してではなく、取り巻く環境についての提言です。
ここ最近は、縫製工場が激減し、ようやく業界でも、ものづくりをされる方々、縫製工場へのリスペクトを感じれる様な環境になってきましたが、アパレル絶頂期のバブル前から続く、ファッション業界の悪しき習慣というか、商習慣は、つい数年前まで続いていた様に思います。

その内容は、アパレル企業が企画やデザイン、パターンを全て行い、上代価格も先に決めてしまって、工場には見積もりも取らずに、工賃を提示され、その内容で受けざるを得ない状況。また納期もきつく、遅れるとペナルティがある。。我々も時代と共に見てきた風景ですが、そんな環境に疑問を感じ、アパレル企業とは取り組めないと感じられた様です。そこで、OEMは残しつつも、自社ブランドの立ち上げや、海外ブランドの仕事をシフトされていきます。

業界をずっと見てきた見地から、洋服はコロナ前までずっと売れ続けたきた様です。洋装が始まって200年に満たない日本では、作れば売れる状況が続いており、上記の様な環境になった様です。
一つの転機としては、バブル崩壊。ここで本来は、アパレル業界の再構築が行われるべきだったのに、中国生産が台頭し、ファストファッションが蔓延したことで、更に日本の工場が苦しい立場になったとの事。そこで、コロナがやってきて現在の状況を迎えています。

そんな時代を渡り歩きながら、白石さんは自社ブランドを立ち上げ、試行錯誤を繰り返しながらものづくりを極められていきます。その実力から、縁あって、ニューヨークのブランド「トムブラウン」との仕事に繋がった様です。

・実際の商品、細かなパーツが接ぎ合わされており、ミシンで縫い合わされています。無数のパターンから成りたっており、想像を絶します。日本人にしか出来ない技術と言われております。

現在は、トムブラウン本社の真ん中に、アトリエを構えてらっしゃるまでになっております。そこに辿り着くまで色々な事があり、技術力が認められた結果かと思います。同じ日本人として誇らしくも思えました。

なぜ真ん中にアトリエを作るのか?とトムさんに聞いた所、我々は職人さんがいないと存在出来ないという様な事を仰った様です。常に真ん中にいてもらい、その存在をオフィスメンバー知らしめたいという事でした。
また、近くにいる事で、わからない事をすぐに確認が出来る、間違いも防止出来るから、結果として再作成もなくなりコスト削減(一流メゾン商品なんで1着も膨大な価格)にもつながる様です。

このあたりの海外でのものづくりに対する意識や思考の違い、から今回のタイトルに繋がってるんですね。

4時間近い講演会でしたが、包み隠さず半生を語られ、人間性もとても謙虚で聴き応えのある会でした。ものづくりへの姿勢や、チャレンジ精神、とても勉強になり、今後の仕事の糧にしたい思います!


以上如何でしたでしょうか。
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