今回はジャケットの背中の裏地仕様について書いていきます。
そもそも裏地は何のためについてるの?
スーツの裏地ってなんのために付いているのかご存知ですか?
主な理由を書いてみました。
◆中身を見せないようにするため
ジャケットを作るためには様々な付属物で構成されています。その付属物を見せずに美しく完成させるために付けています。
◆着やすくするため
表地だけの場合より、ポリエステルや、レーヨン、キュプラなどを付けることによって滑りが良くなり脱ぎ着しやすくなります。
◆傷や汚れから表地を守るため
脱ぎ着で擦れてしまいますし、汗をかけば表地は傷んでいきます。裏地を付けることで表地が痛みにくく、汚れにくいようになります。
他にも色々な理由があります。
薄手の表地でも裏地を総裏にすることで、後ろ姿が浮つかないできれいに見えたり……
また、こだわりを見せる部分でもあります。
夏でも『絶対総裏!』って方もいますし、表地は遊べないけど『裏地は色物で華やかにしたい!』って方も多いです。
種類
※ご紹介するのは一般的な胴裏の仕様種類になります。
※工場様によっては名称や仕様が違う場合がございますので、ご了承下さい。
総裏
文字通りで、全てに裏地が付いている状態です。
画像のように裾まで裏地が付いています。
既製品では、合服や冬物などはこの仕様になっているものが多いです。
夏物でも美しく着るためや、背中が透けるのを防いだりするために総裏にする方も多いです。
背抜
背中の上部と前身・細腹に付いている状態です。
夏物だったり、裏地を軽く仕立てたい場合はこの仕様を選ぶ場合が多いです。
単衣(大見返し)
極力裏地を付けないようにした仕様です。付いているのは背中の上部3分の1程です。
見返しは表地で作られています。
半裏
背中から大きく斜めにカットしながら前身部分まで付いています。
背抜きよりも軽量になります。
どれがいいというのはありませんが、薄い生地のジャケットを着た時に中に着ているものが透けるのがいやだ!
という方であれば無難に総裏で仕立てるのがいいかと思います。
また、素材によっても使い分けたりしても良いかと思います。
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縫製部の福田です。
銀座のテーラーにて職人見習いを経てヤマモトに。
“【総裏?半裏?】こだわりの見せ所?胴裏仕様の種類について【ジャケット裏地】” への1件のコメント