スーツの起源は軍服から!?~スーツ用語の豆知識シリーズ~その2

毎度お世話になっております。GXblog編集部の山佑です。

 

さて今回は前回の豆知識シリーズその1に引き続きまして、スーツ用語、というよりは今回はスーツそのものの起源、ルーツを書いていきたい思います。

 

まず、今のスーツの形は立襟式の軍服が進化していったことはご存じでしょうか。また、日本特有の詰襟の学生服(学ラン)も、この軍服をヒントに作られたものなのです。

学生の頃に、詰襟の前釦を3つ程外し、立襟を外に倒してスーツのような格好にした思いではございませんでしょうか。

 

では、その軍服からどのようにスーツへと変遷していったのでしょうか。

それは、イギリスにおけるヴィクトリア朝の頃、様々な戦争や紛争(植民地紛争やボーア戦争、アフガン戦争など)が終わり、軍務から解放された兵士たちが今まで着ていた立襟に窮屈さを感じて、その時に第1ボタンをはずして外側に折り返された部分が、下襟へ発展し自然発生的にスーツの形になったと言われています。

もともと軍服は剣を手にして、立って戦ったので着脱が簡単なシングル前でしたが、時代の変化とともに銃器が発達してくると、立って戦うだけではなく腹這いになって銃を撃つこともあり、匍匐前進(ほふくぜんしん)の場合もあったと考えると、ボタンが胸中央にあるとその際にボタンが邪魔になり進みにくいため、近代戦ではダブル前が匍匐に向いていたのではないでしょうか。このことから、シングル前のほうがクラシックであり、ダブル前はよりモダンであると推測されます。

 

また、軍服がスーツの原型であり、ボタン数が次第に省略されて(上の軍服の画像ではボタンが10個付いていますね)、3つボタン→2つボタンが主流になるのですが、3つボタンがクラシック、2つボタンがモダン(現代的)と言われています。

なぜ3つボタンがクラシックと言われるのか。それはクラシックスーツの発祥は英国であり、スーツの着こなし方としてアクセントが上にあるスーツが美しく見えるからです。(Vゾーンが狭くなることを指します)
*ここで言うアクセントとは、視覚上の強調点と考えてください。

 

そして、3つボタンの話をするときには、アイビースタイルについて触れる必要がございます。
アイビースタイルのスーツは、シングル3つボタン段返りが基本とされていますが、段返りとは一応3つボタンだけれど、ラペル(襟)の折り返しに隠れるように第一ボタンは付いているが、留めないよ、と意思表示をしているわけで、これは2つボタンよりクラシックであることを意味しています。

 

では、なぜ3つボタンではなく、段返り(の3つボタン)なのか、と言いますと、それは移民で構成されたアメリカ人には自由な気風が強く、英国スタイルの保守的な伝統と窮屈さを嫌い、クラシックを取り入れてはいるが、動きやすさと機能性を追求したアメリカンスタイルが生まれ、アメリカの伝統的エリート校の学生たちに好まれ、アイビースタイルが定着したと考えられます。

 

いかがでしたでしょうか。簡単ではございますがスーツの起源について書かさせていただきました。
もしかしたら、スーツの源流が軍服だったことはご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、学ランもそうだったのですね。そこから長い歴史を経て、現在に至ってると思うと、こうやって歴史を振り返るのも非常に興味深いものがあります。

 

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