2023年5月号_GXニュースレター ~オーダー状況は夏仕様~



GXBlog編集部のフクノブです。毎月新しいNewsをお届けする【GXニュースレター】。2023年5月号です。
オーダーアイテムの受注窓口を行っている現場から、オーダースーツ市場の最新状況をお伝えしていきます。


【2023年4月のオーダー状況】

オーダー受注状況

4月は例年、春夏の繁忙期真最中ですが、弊社においては、ジェンツの納期遅延もあった為、盛り上がりを感じれない月となりました。ただ既製品的なご注文もありましたので、受注数としては、昨年、2019年対比としても100%は超えた受注数を頂きました。
納期遅延でご迷惑をお掛けしている状況にも関わらず、多くのご注文を頂き誠に有難うございます。

皆様のご協力のお陰様で、パンツの混乱も少しですが落ち着きを見せ、溜まっている仕掛品を急ピッチで解消する様、ジェンツも休日返上で行っておりますので今暫くお待ち頂きます様お願い致します。

ジャケットやベストに関しましては順調に流れる様になってきており、納期を短縮しサイクル表を組み直しております。パンツを含むオーダー納期とジャケットやベスト単品納期は別設定をさせて頂き、ジャケット・ベストに関してはスムーズに納品目指して参ります。

オーダー内容に関しては、夏に向けた素材が多くなってきました。特にシアサッカーやリネンのジャケット、コットンやリネンパンツ。ポーラ素材のスーツ等。
色目も華やかになり、装いを楽しめるシーズンになってきましたね。


ハーフパンツ

こちらのハーフパンツはジェンツでの縫製です。正直な所、ハーフパンツは工場では嫌がられます。
理由としては、膝の設定が無く、パターンがCADでは動かない為、手作業でパターン修正が発生する為です。それなりの手間と時間が掛かる為、割増工賃もそれなりに高くなりますが、ご要望ございましたら是非ご利用ください。


半袖シャツ

半袖シャツのご注文も去年あたりから増えてきています。特にオープンカラーのシャツが増えてきており、画像の様なブッシュシャツや、アロハシャツを意識したディテールが人気です。
素材もレーヨンでのオーダーが可能ですので、カジュアルウェアとしてオーダー出来ますので、エンドユーザー様へのご提案の幅も広がるのではないでしょうか。




これからの季節に軽い仕立てを

以前にもご紹介致しましたが、弊社メイン工場である【ジェンツ】は、基本フル毛芯仕様の縫製ですが、これからの春夏シーズンや、カジュアル仕立ての為の、軽い芯仕様がございますのでご紹介させて頂きます。

3種類ございます。

UG接着

こちらは、基本仕様の「フル毛芯+全面接着」の仕様です。
ジェンツは、接着芯を貼ることが基本仕様となっております。日本の湿気の多い気候では品質保持の為にも接着芯を貼らせて頂く事がベストだと考えます。
それでも柔らかく仕上げたい方もいらっしゃると思いますので、接着しない際のデメリット(ピリやシワ等)をご理解頂いた上で、接着芯無しの対応も可能です。

FS接着

「ハーフ毛芯(ラペル無し)+全面接着」
軽い仕立てにしたい際、ラペルと裾の方を抜いた毛芯を使用する仕立てです。しっかり仕立てたいけど、少し軽くしたい時におすすめです。
コットンやリネン、シアサッカー等の場合、ラペルにハ刺しミシンが予期せぬ不良を誘発する為、工場としてはこれらの素材の場合は、FSにて進行させて頂いております。

NC接着

「ハーフ毛芯(ラペル無し)+全面接着」
軽「毛芯無し+全面接着」仕様です。縫製工程上で胸増し芯は少し入ります。
とにかく軽く仕立てたいという場合、
毛芯が無い為、立体感は薄れますが、物理的に軽くしたい・着心地を軽くしたい場合はこの仕様です。
リネンやシアサッカー等の素材におすすめです。

上記の仕様に関しては割増オプションではございませんので、備考欄記入でOKです。

NC接着の仕立てサンプルです。


【オーダーシャツ工場 生地バンチリニューアル】


バンチ全貌動画です。ご参考にご覧ください:https://www.instagram.com/p/Crk2nY_gjb1/

オーダーシャツ工場の、生地バンチがリニューアルされました。工場に在庫している生地を集めた、生地バンチです。今までは1冊でしたが、インポートと国産を2冊に分けました。
生地の面積も少し大きくなり、横開きだったものから、縦開きとなり見やすくなりました。
価格的に選びやすい国産のボリュームを増やし、より使いやすくお勧めしやすい構成となっております。

その分、バンチ価格も値上げになりますが、国産からインポートのベーシックな高級素材に、ポリエステル混の、お客様ニーズに応えれる素材まで揃いますので大変使いやすいかと思います。

セットで以下のボタンサンプル帳もございます。


【ピックアップブログ】

スーツのオーダーシートってどう書くの?_MIYUKIオンラインオーダー編

御幸オーダーは、オンラインオーダーが便利です。御幸のオーダーは、複写式の専用伝票を記入頂くか、オンラインでのオーダーがお選び頂きます。オンラインとなると少し及び腰になる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際やってみると案外簡単です。

今回、弊社の山佑が、わかり易く詳細にオンラインオーダーの手引きをブログにてアップしましたので是非ご覧いただければと存じます。
ブログページ:スーツのオーダーシートってどう書くの?_MIYUKIオンラインオーダー編



【日本モデリスト協会講演会】

画像引用元:https://fashionpost.jp/portraits/14313

2023年4月15日、日本モデリスト協会主催の「日本のものづくり 世界はどう見ている?」というテーマで、UAのクリエイティブディレクターである栗野さんの講演会が開催され、工場様やパタンナー様の方々が参加されておりました。

35年に渡り世界のファッションを見てきた経験から得た知見を共有し、今後のファッション業界に必要な要素について語られていましたので、簡単ですが纏めさせて頂きます。

モデリストはマジシャンみたいな仕事
栗野さんは昔、少しの間だった様ですが、オートクチュールのアトリエに弟子入りされていた様です。そこでプレスや、簡単な針仕事を経験された様です。その現場の経験もあり、平面の生地から立体的なものを作り上げるモデリストの事を尊敬していると前置きされ講演会がスタートします。

・ファッションブランドはモデリストや工場に支えられている
ファッションブランドはデザイナーだけでなく、モデリストや工場などのスタッフによって支えられている。特に日本のモデリストやパタンナー、工場は品質や実力が高く、世界的に評価されており、世界的なブランドもOEM工場からスタートして成長してきた。(CARUSO、ISAIA、BELVEST等、、)

ラグジュアリーブランドはエンターテイメントブランドになった
現在のラグジュアリーブランドは、価値の提供から、ワクワクやドキドキの体験の提供に移り変わっている。その一方で、クリエイティブとしては劣化しているとも指摘した。
ブランドのデザイナーになる条件が変わってきている。
デザイナーになる条件について「実力ではなく、ルックスが良く社交性に優れ夜遊びがうまいことが求められるようになっている」と、そのようなデザイナーを支えるのは、モデリストやパタンナー、工場などであり、その中でも右腕として活躍する日本人が多い。

・日本が苦手なブランディングを強化する必要がある
日本が苦手なブランディングを強化することが今後重要で、だれもやっていないことに挑戦することが必要。今後は、テーラリング、サステナビリティ、ダイバーシティが、ファッション業界で重要な要素となると語った。


90分の講演会でしたが、全般を通し、日本のものづくり力、工場やパタンナー等の技術力の高さを説かれていました。長年世界を見てきた栗野さんの言葉は、参加されていた日本でものづくりに携わっている方々には、心強く、背中を押されたのではないでしょうか。

弊社も少しではありますが、ものづくりも行っており、縫製工場様との繋がりも強いので、新しい時代に価値ある商品・サービスを生み出せる様取り組んでいかねばと触発された機会となりました。


以上如何でしたでしょうか。
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