こんにちは。GXblog編集のカヤバです。
本日は、テーラー事業の仕事の内容に関してご説明します。
※テーラー経験の浅い方向けのコンテンツです。経験豊富なテーラーの方には、当たり前の内容が含まれておりますので、読み飛ばして下さい。
前提としてこちらの記事では、提携の縫製工場などを利用して、テーラー事業を行う場合のご紹介をいたします。
自分ひとりで丸縫いをする、自家工房で縫製をする場合は、異なった仕事内容になってくると思います。※ただ、丸縫いや自家工房で縫製するようなハンドメイドのテーラーさんでも、価格やラインを分けて、提携工場を使用する場合が多くあります。
目次
営業形態
店舗あり
文字通り店舗を構えて、お客様にご来店いただき販売を行う形態です。
オーダーメイドの洋服をお求めになるお客様は、その店主のキャラクターや店舗空間も含めた購買体験を求めている事もあります。
店舗を持つと初期費用や家賃などのランニングコストがかかりますが、VMDなどの空間演出によって展開するオーダーブランドの世界観を表現しやすくブランディングの面で優れていると言えます。
無店舗
こちらは店舗を持たない販売方法です。オーダーのご予約をいただき、お客様のご自宅に出張したり、貸し店舗などで受注する方法です。
集客や新規のオーダーを受注することが最初は難しいですが、店主のキャラクターや魅力が十分に伝われば、口コミやご紹介と行った形で顧客様を拡大させる事が可能です。また、店舗がないので初期費用やランニングコストを大幅に削減できます。
必要な道具類
メジャー
採寸には欠かせないです。このメジャーは、お客様を相手にするテーラー様にとって道具であるだけでなく、演出アイテムにもなります。
ApparelXでも、豊富な種類の中からメジャーをご購入いただけます。
ペン
これは、テーラーだけに限ったことではないですが、ペンも演出アイテムとして需要です。
いろいろな考え方があると思いますが、使用しているペンがフックになってお客様との会話が弾む事もあります。これは、時計なども同様ですね。
バンチブック
生地サンプルが一冊にまとめられたサンプル帳の事です。このバンチブックを使用してお客様から生地をお選びいただくことがほとんどだと思います。
採寸シート・顧客カルテ
採寸した寸法を書き込むシートや、お客様情報や趣味嗜好、スーツの仕様等を書き込むカルテのようなものも必要です。過去の受注履歴とかを参照するときにも役立ちます。
ピンクッション・シルクピン
これらは、仮縫いの時などに使用します。
縫製道具一式
縫製自体は工場だとしても、緊急のボタン付けや、生地の裁断をすることもあるかと思うので、手縫い針や裁ちばさみ等、縫製道具一式は準備いただくと良いかと思います。
必要な設備
フィッティングルーム
着替えの際の空間は必要ですね。
全面鏡
体全体が映る大きな鏡が必要です。仮縫いや、フィッティングはこの鏡を使って行います。
プレス台・アイロン
業務用ではなくても、テーラーの業務を行っているとアイロン掛けが必要な場面が多々あります。お客様のスーツにスチームがけをして、シワをとるという場面も出てきます。
プレスのやり方は、結構困ってらっしゃるお客様もいるので、アイロンの上手い掛け方をレクチャーしたりするのも、サービスの一つになり得ます。
その他
最低限必要なものは、このくらいではないでしょうか。その他、店舗であれば、接客用のテーブルや椅子、バンチブックをしまう棚等があれば、最低限は問題ないように思います。無店舗の場合は、持ち歩く物(バンチブックや道具類)が結構多くなると思うので、スーツケース等があると便利ではないでしょうか。
仕事内容
道具類と設備が揃えば、すぐにでも商いを始められるのではないでしょうか。
※このブログでは、登記や個人事業主の開業届などの法的部分は割愛させていただきます。
それでは、テーラーの仕事内容をご紹介させていただきます。
プロモーション・営業活動
新しく開業した場合や継続してお客様を呼び込むためには、プロモーションが必要です。
現在では、店舗のプロモーションはウェブでの広告やSNSを活用したものが主流なのではないでしょうか。
顧客様へのアプローチは、個別の電話やDM、メルマガといった方法があるかと思います。
テーラーの場合は、購入率が通常のアパレルの店舗に比べて非常に高いと思います。
つまり、お客様は事前にいろいろな情報を調べて基本的には購入する前提で来店される事が多いです。重要なのはどこで買うかなので、オーダースーツを求められている潜在的顧客様に同様にアプローチしていくかが重要です。
接客・採寸
テーラーの接客は、ある程度イメージが付くかと思いますので、以下箇条書きでまとめます。
カウンセリング
お客様がどのような要望を持っているのかを、確認して出来上がりのスーツのイメージを共有します。(予算面の確認も重要です)
生地決め
カウンセリングで伺った内容を元に、予算とイメージにあった生地を提案します。バンチブックからのオーダーの場合、イメージが湧きづらいと感じるお客様もいらっしゃると思うので、いかにイメージを伝えるかが重要です。ここは通常のアパレルの接客に似ているように思います。
デザイン・仕様決め
お客様の嗜好・テイストにあったデザインの提案、または、テーラー側が良いと思うものの提案を行ってデザイン等を行っていきます。
採寸
パターンオーダーかイージーオーダーか、お店の形態によっても計測箇所が変わってくると思います。
慣れた手付きで採寸するとそれだけで、お客様に安心感を与えること事ができます。
会計
一部入金、全額入金など店舗によって、支払い方法が変わってくると思いますが、入金漏れがないようにすることが大切です。
仮縫い(ある場合)
仮縫いを着せ込み、寸法の修正や微調整を行います。
※仮縫いの上がり寸の精度は、そこまで高くない場合があるので注意しましょう。
納品
出来上がりのスーツを着てもらい、問題がないか確認します。
生産管理業務
ここでは、受注したオーダーの資材の発注から完成品の納品までの流れを紹介します。
資材発注
基本は表地・裏地・小付属(ボタンやネームなど)の発注です。
手配漏れや、品切れに注意する必要があります。
※GXでは、受託縫製に加えて、表地、裏地、副資材の手配もまとめて行います。
裏地・副資材調達に関して、詳しくはこちら
表地調達に関して、詳しくはこちら
オーダーシート記入
受注したオーダーアイテムの仕様や寸法に関して、間違いがないように記入します。
各提携工場、取引先工場によって書式や、ルールが違いますのでご注意下さい。
※イメージが付きやすいように、GXスーツでのオーダーシートの記入方法をこちらで紹介しています。
職出
手配した、資材とオーダーシートを一緒にして、工場側に送ります。GXの場合、弊社が窓口となっているので、弊社にて職出を承っています
納期管理
これは、何かをするというわけではありませんが、職出した各アイテムの納期を把握している必要があります。
基本的には、工場側で、承り日に対する予定納期というのものがあるので、その納期の把握、、納期遅延等の連絡の確認は、オーダー商品が納品されるまで確認は必要です。
検品
製品が届いたら、検品を行います。
指定寸法で仕上がっているか、デザイン・仕様は指定通りか、キズ等がないかなどを確認します。
経理業務
どんな会社でも、個人事業主様でもあると思いますが、納品書と請求書の付け合せや振り込み業務等があります。
また、オーダー事業では、受注が決まったタイミング(会計時)と、商品を納品するタイミング(納品時)が既製品と違い異なっているので、内金や(一部入金)等を行っているテーラーさんもあると思います。
お代の頂き忘れが無いように注意しなくてはいけません。
その他
取引先開拓
オーダーを受け付けてくれる工場もそうですが、新規に生地メーカーや商社の開拓は常に行っていく必要があります。
生地に関しては、新しい魅力的な生地に出会うこともあると思いますし、工場に関しては、新しいオーダー製品や、縫製グレードとコストのバランス、パターン等の組み合わせが、工場の数だけあります。
その中で、求める最良の工場と出会えるように工場の開拓も必要といえるのではないでしょうか。
※新規でのお取引を始める場合、最初は口座が作れず、代引や銀行振込等の前払いしかできない場合もあります。
この辺りは、どのくらいの発注を工場に出しているのかや、会社間の信用問題なので、ケース・バイ・ケースといえます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
オーダーメイドの事業を始めたいけど、まだ全容があまり見えていないという方にとって、仕事全体のイメージを掴んで貰えれば幸いです。
オーダー事業で独立しようと思っている方必見!オーダー事業の業務フローを紹介します。細かい注意点も紹介します。
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