オーダーシャツのルール~クラシックなドレスシャツの定義~

GXBlog編集部のフクノブです。

弊社オーダーサービスの中でも【オーダーシャツ】があり、様々なオーダーを頂いております。

テーラー様のお店毎にそれぞれの特徴を表現する為のオーダーもあれば、スーツを引き立てる為の脇役に徹したオーダーも有り、オーダースーツご注文のお客様へのプレゼントとしてにおまけ的にオーダー頂く事もあります。

テーラー様の意図やポリシーがオーダースーツより顕著に現れており、オーダーを頂きながら大変興味深いと感じております。

オーダーですのでお客様に喜んで頂ける様、お好みでオーダーして頂くの一番かと思いますが、弊社では、新規参入のテーラー様もたくさんいらっしゃいますのでご参考になればと、脈々と受け継がれる洋装文化からクラシックのディテールの定義を簡単にご紹介させて頂きたいと思います。

現代は、カジュアル化も急速に進んでおり、クラシックという概念も薄れつつあり、現代社会に置いては通用しない部分も多いにありますが、ドレスシャツの原点としてのルールとなります。

 

▶シャツのルーツは肌着

歴史的にシャツの起源は、古代ローマで着用されていたチュニックといわれております。(上記画像)

私達が普段着用してるシャツは、ヨーロッパの中世では、衿・カフスが取外す事が出来、肌着の様な形をしていた様です。そこから進化し現代のドレスシャツとなっています。ですので、本来シャツは肌着という位置づけになっているため、ジャケットを脱いでシャツ1枚の姿でいる事は本来は間違いであり、ジャケットを脱ぐ場合は、ベスト着用が本来のルールとなります。

ですので、シャツ自体が肌着ですので、その下に肌着を着用するのはNGとなります。

 

▶胸ポケット

ポケットに関しては、「無し」がクラシックの定義となります。肌着という立ち位置、人前でシャツ姿にならない、またベスト着用するという前提があり、ベストにはポケットがついている為となります。

 

▶素材

肌に直接触れると言う点より、肌にやさしい素材でなければならない為、コットン100%が理想的です。※ジャケパンスタイルにはリネン100%でももちろん良いかと思われます。現代では技術発展により、合成繊維で「シワになりにくい」「ノーアイロン」等機能性素材がたくさんありますが、クラシックという点では、コットン素材、天然素材という点が重要なポイントとなります。

綿といっても、糸の太さによって様々な品質あり、細番手で作られた生地はシルクの様になめらかで肌触りもとても気持ちよく、生地が柔らかいため着心地にも大きく影響します。

また洗濯もクリーニングに出すのではなく、自宅で洗濯を行い自身でアイロン掛けを行うという行為そのものが紳士としての嗜みにもなります。

 

▶カラー

定番とて、「白」「サックスブルー」「白地にブルーストライプ」この3種類があげられるかと思います。万人にも受け入れ安く、日本人にも最も似合う色ですし、ビジネスにおいても、スーツとのコーディネートにおいても間違いないかと思います。

ワイシャツという言葉の語源は、「ホワイトカラーシャツ」から来ているとも言われており、白においては素材や織り違いで何枚あっても良いものですね。

 

▶衿型

衿に関しては、ワイドスプレッドカラー、ごく普通の衿型が良いです。

剣先の長さは7c、衿の高さは4.5c等、基本の定義もありますが、ここも体の大きさによって、最適なバランスは変わってきます。

ネクタイとバランスが良く収まる衿の選択が基本です。

ボタンダウンやカッタウェイ等は、ネクタイ締める衿型では無いということです。

 

▶前たて

表前立てと裏前立て、比翼の3種類になります。

比翼→裏前立て→表前立てと、よりカジュアルになっていきます。

 

▶カフス

大きくわけて、シングルカフスとダブルカフスがあります。

普段のビジネス仕様ですと、シングルカフスを用います。フォーマルな装いにはダブルカフスとなりますが、ダブルカフスの場合は、カフリンクスを使用するため、より華美になりますし、着こなし的にはアクセサリーが絡むのでより高度になります。

 

▶ボタン関連

上記画像は、前立てのボタン画像になります。下のボタンは一番下のボタンになりますが、横向きにボタンホールが開けられております。横向きに開ける事により、縦の動きを制する事により、左右の縦ズレを防止できます。また、腰回りの位置にくるボタンですので、横向きのゆとりの調節にもなります。

※弊社のオーダーは、基本仕様「縦」になりますが、別途指示で横向きにする事が可能です。

ボタン位置に関しては、身長によっても変動しますが、6c~6.5cが一般的です。弊社の基本は6.5cとなっております。

お客様によって胸の開き具合の希望もありますので、オーダーの際はもちろん指定可能です。

ボタンの素材は、「貝ボタン」になります。厚さ4mmがクラシックとされている様ですが、昔は薄くする技術がなかった為、厚いものを使用していた様です。現代では、2mmや3mm厚が多く使われております。4mm厚ボタンは少し留めづらくなりますが、シャツの表情に奥行きが出ます。

貝ボタンにも、高瀬・黒蝶・茶蝶・白蝶とありますが、白蝶が一番高価なものとなります。

 

▶ネーム刺繍

ネーム刺繍はさり気なく入れるというのがクラシックになります。

上記画像の様に右のお腹あたりに、1文字5mm四方程度のイニシャルで、色はネイビーで入れる。ベスト着用が前提としてあるので、お腹部分は隠れてしまいますのであくまで自分だけがしっている喜びを感じるのが粋ということですね。

弊社オーダーは、上記の字体から選択し、左腕、カフス、ポケット口等に入れるお客様が多いです。

 

以上如何でしたでしょうか。ディテールについて簡単ですが、纏めさせて頂きました。次回は、サイズや、仕様などをご紹介して行ければと考えております。ご参考になれば幸いです。

 

これまでのシャツの記事も下記にございますので是非ご覧下さい。

パターンオーダーとは?その魅力は?

【小ロットの既製品】や【オリジナル商品】として利用できるオーダーシャツ

【自由度の高いオーダーシャツ工場】~ここまで個性出せます~

短納期可能!!オーダーシャツ工場【1日コース・1周間コース】

サスティナブルなオーダーシャツ

 

その他、メンズスーツやレディーススーツ、ドレスシャツ、ジャージースーツ、コートなどの縫製サービスについてのお問い合わせは株式会社ヤマモト縫製部まで、お気軽にお問い合わせください。

 

“オーダーシャツのルール~クラシックなドレスシャツの定義~” への1件のコメント

コメントを残す